エンディングノートに記録として残したい内容を以下の5つの項目に分けて、目的と効果を解説します。

1. 基本情報（個人情報と家族構成）

目的: 自分の身元を明確にし、家族が必要な情報を迅速に確認できるようにする。 効果: 緊急時や手続きの際に必要な情報がスムーズに提供され、負担が軽減される。

2. ライフイベントの写真や思い出（フォトアルバム）

目的: 自分の人生を振り返り、家族や友人への感謝の気持ちを伝える。

効果: 写真や思い出が共有されることで、家族の間で過去を振り返る機会が生まれ、絆が深まる。

3. 医療・介護の希望（治療方針や介護方法）

目的: 病気や介護が必要になった場合に、自分の希望を明確に伝える。

効果: 家族が意向を理解しやすくなり、無駄な心配や対立を避けることができる。

4. 財産・相続に関する情報（遺言や財産目録）

目的: 相続トラブルを避けるために財産の分配方法を事前に示す。

効果: トラブルを防ぐだけでなく、家族が安心して手続きを進められる環境を作る。

5. 葬儀・埋葬に関する希望（葬儀のスタイルや墓の選択）

目的: 自分らしい最後を迎えるために具体的な葬儀・埋葬のプランを示す。

効果: 家族が迷わず、自分の希望に沿った形で見送ることが可能になる。

これらの項目をエンディングノートに記録することで、家族が困ることなく、スムーズに対応できる体制を整え、人生の最後をより納得感のある形で迎えられます。 

エンディングノートと自分史や自分史動画は、目的や役割が異なるため、基本的には分けて考えるのが良いでしょう。それぞれが果たす役割や効果について解説します。

1. エンディングノート

• 目的: 主に実務的な情報（医療・介護の希望、財産分配、葬儀の要望など）を家族や関係者に伝えるための記録。

• 効果: 緊急時や相続手続きの際に家族がスムーズに対応でき、負担を軽減します。

• 特徴: 実用性や簡潔さが重視されます。

2. 自分史

• 目的: 自分の人生を振り返り、家族や友人、次世代に自分の経験や価値観、思い出を伝えること。

• 効果: 人生の記録が共有され、家族との絆が深まります。また、後世に自分の足跡を残す喜びがあります。

• 特徴: 感情や個性、物語性が強調されます。

3. 自分史動画

• 目的: 映像を通じて自分の人生やメッセージを視覚的に伝える。

• 効果: 動画の視覚効果や音声によって、言葉では伝えきれない雰囲気や感情が伝わりやすくなります。

• 特徴: 動的な表現やクリエイティブな要素が加わり、より親近感を与える手段です。

分けて考える理由

エンディングノートは「実務的で具体的な指示」を重視し、自分史や自分史動画は「感情や思い出の共有」に焦点を当てます。こうすることで、それぞれの役割を明確にし、適切な形で目的を達成できます。

とはいえ、これらを相互補完的に利用することも可能です。たとえば、エンディングノートの一部に「自分史動画を見ることを勧める」メッセージを含めたり、自分史の中でエンディングノートの内容を補足的に触れるなど、組み合わせることでより充実した伝え方が実現します。 

エンディングノートと自分史を組み合わせることで、実務的な情報の整理と個人的な人生の記録を効果的に融合させ、より豊かな形で自身の思いを伝えることができます。以下にその方法とメリットを説明します：

組み合わせる方法

1. エンディングノートに自分史の要約を添える エンディングノート内に、人生の主要な出来事や家族への感謝の言葉を簡単にまとめた自分史の要約を記載することで、実務的な情報と感情的な内容をひとつにできます。

2. 自分史にエンディングノートへのリンクを含める 自分史の中で、家族に必要な実務情報が記録されているエンディングノートの存在を示すことで、情報を補完し合う形になります。

3. 自分史動画にエンディングノートの内容を織り込む 動画内で、自身の医療や介護の希望、葬儀のスタイルなどを軽く触れることで、視覚的に意図を伝える手段になります。

4. 相互補完的なフォーマットの作成 エンディングノートと自分史をセットとして家族へ渡すために、一貫性を持ったデザインやフォーマットを用いることで、見る人にとって分かりやすくなります。

組み合わせのメリット

• 家族への伝達がスムーズに: 実務情報と個人的な記録を同時に共有することで、家族が内容を理解しやすくなる。

• 感情的なつながりの強化: 自分史を通じて、ただの実務情報ではなく思いが込められていることが伝わる。

• より包括的な終活の実現: エンディングノートと自分史を組み合わせることで、安心と温かみのある形で人生を整理できます。

このようにエンディングノートと自分史を統合すると、実務と感情のバランスを取りながら、自身の意思を効果的に伝えられるようになります。