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筋力トレーニングは、脳への直接的な刺激、脳血流の改善、BDNFの増加、インスリン感受性の改善、生活習慣病の予防・改善、サルコペニア・フレイル予防、転倒リスクの低減といった複数のメカニズムを通じて、認知症予防に寄与すると考えられています。継続的な実施と、可能であれば他の運動や認知課題との組み合わせが、より効果的な認知症予防につながると言えるでしょう。
高齢者が自宅で転倒するリスクを事前に発見するためのチェック項目を以下に挙げます。これらの項目を確認することで、転倒のリスクを減少させるための対策を講じることができます。
運動全般、特に有酸素運動と筋力トレーニングが認知機能の維持・向上に効果的であるというエビデンスは世界的に確立されつつあります。WHOも認知症者の認知機能改善のための身体的介入を強く推奨しており、軽度認知障害(MCI)に対しても条件付きで推奨しています。
筋力トレーニング単独でも認知症予防に効果があると考えられています。特に、高齢者の場合、筋力トレーニングによって認知機能が向上し、海馬の萎縮が抑制されるという研究結果も出ています。国立長寿医療研究センターの研究では、複合的運動プログラム(有酸素運動、コグニサイズ、運動の習慣化)がMCI高齢者の全体的な認知機能や言語流暢性、記憶、脳萎縮に有効であることが示されています。
ただし、一部の研究では、軽中度の認知症患者に対する運動プログラム(エアロビクスや筋力トレーニング)が思考スキルや行動に改善を示さなかったという報告もあります。これは、認知症の進行度や運動プログラムの内容、期間などによって効果が異なる可能性を示唆しています。
筋力トレーニングが認知症予防に寄与するメカニズムは複数考えられています。
脳への直接的な刺激と神経回路の活性化:
筋肉を動かす際、脳から運動神経を通して伝令が出され、逆に筋肉が動くと感覚神経から脳へ刺激が送られます。このように筋肉と脳は密接に連携しており、筋肉を動かすことは脳を活性化させると考えられています。特に、筋肉からの強い刺激が脳幹にある「脳幹網様体」に伝わることで脳が覚醒し、失われたり眠っていた脳細胞の機能が回復する可能性があるとされています。この効果は、体で最も大きな筋肉である太ももの筋肉を鍛えることで特に高まる可能性があります。
脳血流の改善:
筋力トレーニングによって全身の血流が促進され、脳への血流も増加します。脳への血流が増えることで、脳細胞への酸素や栄養供給が改善され、脳の活性化につながると考えられています。
BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加:
運動、特に中強度以上の有酸素運動や筋力トレーニングは、BDNFという脳の神経細胞の成長や生存、シナプスの形成に関わるタンパク質の分泌を促進することが知られています。BDNFの増加は、記憶力や認知機能の向上に寄与すると考えられています。
インスリン感受性の改善:
筋力トレーニングによって筋肉量が増加すると、基礎代謝が向上し、糖の代謝が促進され、インスリンの効果が得られやすくなります。インスリン抵抗性は認知機能低下と関連があるとされており、特に肥満や2型糖尿病のある人では脳のインスリン抵抗性が起こりやすいことが分かっています。運動によるインスリン感受性の改善は、脳機能の向上にもつながると考えられています。
生活習慣病の改善:
筋力トレーニングは、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の予防・改善に寄与します。これらの生活習慣病は認知症のリスク因子であるため、筋力トレーニングによる改善は間接的に認知症予防につながると考えられます。
サルコペニア・フレイル予防と転倒リスクの低減:
筋力トレーニングは、加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)や身体機能の低下(フレイル)を予防し、筋力を維持・向上させます。これにより、転倒リスクが低減されます。高齢者において、転倒による骨折や怪我は寝たきりの原因となりやすく、活動性の低下を通じて認知症の発症リスクを高める可能性があります。
継続性: 一度きりの運動ではなく、定期的かつ長期的な運動習慣が重要です。
強度と頻度: 胸、背中、下肢の大きな筋肉を鍛えることを意識し、一つの部位につき8~12回を2~4セット、週に2~3回行うのが目安とされています。ただし、高齢者の場合は無理なく継続できる強度から始め、徐々に強度を上げていくことが推奨されます。
複合的なアプローチ: 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせるだけでなく、コグニサイズ(運動と認知課題を組み合わせたもの)のように、運動中に簡単な計算やしりとりなどの認知課題を組み合わせることで、さらに効果が高まることが示唆されています。
コグニサイズは、国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防運動プログラムです。その名称は、英語の「Cognition(認知)」と「Exercise(運動)」を組み合わせた造語であり、この二つの要素を同時に行うことが最大の特徴です。
コグニサイズの主な目的は、運動で体の健康を促すと同時に、脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることにあります。単に運動を行うだけでなく、運動と同時に頭を使う認知課題を組み合わせることで、心身の機能を効率的に向上させることを目指します。
コグニサイズでは、以下の2つの要素が重要視されます。
運動課題(身体を使った課題):
全身を使った中強度程度の負荷(軽く息がはずむ程度)がかかる運動であること。脈拍数が上昇するような身体負荷のかかる運動が推奨されます。
例:ウォーキング、足踏み、ステップ運動、スクワットなど。
認知課題(頭を使った課題):
運動と同時に実施する認知課題によって、運動の方法や認知課題自体をたまに間違えてしまう程度の負荷がかかっていること(難易度の高い認知課題)。
例:計算(例:100から7を引いていく)、しりとり、指折り数え、じゃんけん、記憶力や処理能力を試すゲームなど。
コグニサイズは、課題が「うまくできること」が目的ではありません。 課題が簡単にできてしまう場合は、脳への負荷が足りていない可能性があります。そのため、慣れてきたら、運動の強度を上げたり、認知課題の難易度を上げたり、あるいは課題自体を工夫して変えていくことが推奨されます。
コグニサイズが認知機能向上に寄与するメカニズムは、複合的なものです。
脳への複合的な刺激: 運動によって脳血流が増加し、BDNFなどの神経栄養因子が分泌されることに加え、認知課題によって脳の様々な領域が同時に活性化されます。特に、注意機能、実行機能、記憶力といった高次の認知機能が刺激されると考えられています。
デュアルタスク能力の向上: 運動と認知課題を同時に行う「デュアルタスク」は、脳に高い負荷をかけ、集中力や情報処理能力を向上させる効果が期待されます。これは、日常生活における複数のタスクを同時にこなす能力の維持にもつながります。
海馬の活性化: 運動と認知課題の組み合わせにより、学習や記憶に関わる海馬の萎縮を抑制し、その機能を維持する効果が期待されています。
達成感と継続性: 楽しく、かつ適度な難易度の課題に取り組むことで、達成感が得られやすく、運動習慣の継続につながりやすくなります。継続的な運動習慣は、認知症予防において非常に重要です。
「コグニステップ」: 足踏みをしながら、3の倍数で拍手をする。慣れてきたら、拍手のタイミングを変えたり、逆方向に足踏みをしたりと難易度を上げていく。
「ウォーキングしりとり」: 歩きながら複数人でしりとりをする。前の人、前の前の人が言った言葉も繰り返してから自分の言葉を言うなど、ルールを複雑にする。
「スクワット計算」: スクワットをしながら、決められた数字(例:100)から指定された数(例:7)を繰り返し引いていく。
コグニサイズは、年齢や体力レベルに合わせて様々なバリエーションで実施可能です。個人で行うことも、グループで行うこともできます。
国立長寿医療研究センターから、コグニサイズに関する教材やDVDなどが提供されており、それらを参考にすることができます。
コグニサイズだけで認知症が完全に予防できるわけではありません。バランスの取れた食生活、十分な睡眠、社会参加など、他の健康的な生活習慣と組み合わせることが重要です。
コグニサイズは、運動と頭の体操を同時に行うことで、より効果的に脳を活性化し、認知機能の維持・向上を目指す、実践的な認知症予防プログラムとして注目されています。
シナプソロジーは、株式会社ルネサンスが開発した脳活性化メソッドで、認知症予防に効果が期待されているプログラムです。コグニサイズと同様に「運動」と「認知課題」を組み合わせることで脳を活性化させることを目的としていますが、そのアプローチに特徴があります。
シナプソロジーの最大のポイントは、「普段慣れない動きで脳を適度に混乱させ、さらに効果的な刺激を与えること」にあります。具体的には、以下の要素を取り入れます。
2つのことを同時に行う(デュアルタスク):
手と口を同時に動かす、左右で異なる動きをするなど、複数のタスクを同時にこなすことで脳に高い負荷をかけます。
左右で違う動きをする:
例えば、右手はグー、左手はパーを同時に出すなど、普段あまりしないような非対称な動きを取り入れます。
慣れない動きや予測できない刺激:
ルーティンではない、予測不能な要素をあえて加えることで、脳が「あれ?」と反応し、新しい神経回路が活性化されることを促します。この「適度な混乱」が脳への良い刺激となるとされています。
シナプソロジーが脳を活性化させるメカニズムは、以下の点が挙げられます。
脳の混乱と再構築: 普段行わない動きや、同時に複数のことをこなすことで、脳は一時的に「混乱」状態に陥ります。この混乱を解消しようとする過程で、新しい神経回路が形成されたり、既存の神経回路が強化されたりすると考えられています。
注意機能・実行機能の向上: 複数のタスクを同時に処理するデュアルタスクは、集中力、情報処理能力、計画性といった注意機能や実行機能を向上させるのに役立ちます。
情動への刺激: シナプソロジーは、「できる」こと自体を目的とせず、むしろ「できないこと」を楽しむというアプローチを重視します。これにより、笑顔やコミュニケーションが生まれやすくなり、楽しさや爽快感といった情動に関わる脳の領域も刺激されると考えられています。精神面での抑うつ感の改善なども期待されています。
五感への刺激: 目で見て、耳で聞いて、体を動かすことで、視覚、聴覚、触覚(固有受容感覚)など様々な感覚器から脳へ刺激が送られ、脳の広範囲が活性化されます。
筑波大学などとの共同研究により、シナプソロジーの効果検証が行われています。その結果、以下のような効果が示唆されています。
認知機能の向上:
記憶機能、注意機能、実行機能、判断力、言語流暢性などの向上。
中年者と高齢者の両方で同程度の認知機能向上効果が見られたという報告もあります。
身体機能の向上:
手先の器用さ(巧緻性)、全身の反応性、動的バランス能力の向上。
心理的効果:
爽快感の向上。
疲労感、抑うつ感、緊張・興奮、倦怠感の低下。
週に1回60分を3ヶ月間継続するといったプログラムで、これらの効果が確認されています。
コグニサイズとシナプソロジーは、どちらも運動と認知課題を組み合わせた認知症予防プログラムですが、以下のような違いがあります。
コグニサイズ: 国立長寿医療研究センターが開発。運動と認知課題を同時に行うことで、主に認知機能全般の維持・向上を目指します。課題を「正しく行う」ことに重点が置かれることが多いです。
シナプソロジー: 株式会社ルネサンスが開発。「適度な混乱」や「予測不能な刺激」を意図的に取り入れ、脳の新しい神経回路の活性化やデュアルタスク能力の向上を重視します。課題を「できること」よりも「できないこと」を楽しむ姿勢を促します。
どちらも効果が期待されており、個人の好みや体の状態に合わせて選択することが重要です。多くの介護施設や高齢者施設、スポーツクラブなどで導入されており、指導者のもとで楽しく安全に取り組めるよう工夫されています。